「全能」と無能の間

国語 なるべく毎日エッセイ

「全能」とは「どんなことでもできること。完全無欠な能力」のことだそうだ。

小学生の問題の物語の中で、登場人物が「僕はなんだってできるんだ!」ということを言っていた。その少年の全能感に周りの人は振り回されながらも元気をもらう話だった。

子どもの頃は多くの人が「本気でやれば、自分はなんでもできる」と思っていた。走れば風より速く、絵を描けばピカソも真っ青、将来の夢は「宇宙飛行士でプロ野球選手でパティシエ」。いわば、全能状態。万能感フルスロットルである。

しかし、大人になるにつれ、その“全能のメッキ”は次々と剥がれていく。九九を覚えるのに苦労し、体育の持久走では平凡な記録、告白はあっけなく玉砕。

気づけば「全能」どころか「無力」をコレクションする日々。そして私たちは「全能感」を卒業する。いや、卒業させられる。地球がひっくり返っても大谷翔平や本田圭佑にはなれないと悟る。

あの頃の万能感をもう一度体験できたら、世界はもっと楽しくなるのではないかと思う。でもそれは幻想であって、現実にはありえない。

だから、出来ない事や苦手な事には目を向けず、自分の出来ること、得意なことにだけ集中する。自分は全能ではないが無能でもない。普通だ。今日も普通に生きよう。それでいい。

沢田,国語,塾

沢田国語研究所

●事業内容

・国語専門塾(対面・オンライン)

・俳句や短歌の創作および普及活動

・本に関するイベント

●代表

 沢田隆志

 大阪市出身
 開明高校→横浜国立大学経済学部卒

 大手自動車メーカーで経理として勤務。
 神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
 須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
 
 俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。

・須賀川短歌会主催
「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票

・須賀川地域の地方紙
「あぶくま時報」火曜コラム執筆中

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