中学生の国語の問題に出てきた「些末」(さまつ)という言葉、「些細」(ささい)とだいたい同じような意味、使い方のようだ。重要ではない、小さなことであることを表す。
「いや、そんな些細なことを気にするな。」そう偉そうに言い放つ人は、たいてい議論に勝った気になっている愚か者だ。なぜなら、人間の悩みの大半は、だいたい小さなことでできている。
たとえば朝、前髪が思うように整わない。他人からしたらたいしたことではない、どうでもいいことでも、本人はそれだけで一日なんだか落ち着かない。イヤホンから聴こえるわずかなノイズのように引っかかる。
けれど、その“ノイズ”こそがメインコンテンツになったりする。職場で「コピーのホチキスが斜めだ」とか、「カレーにじゃがいもを入れるか否か」とか、そんな「些末な」の会話が、私たちの社会をふわっと保っているのではないか。
それでいいのだ。むしろ、些末なことにいちいち気になってしまうのが人間の愛らしさだと思う。重要なことばかりに目を向けていたら、心が持たない。だからこそ私たちは、どうでもいいことで笑い、悩み、語り合える。
別の視点もある。元サッカー日本代表監督の岡田武史さんが「勝負の神は細部に宿る」という言葉を使って、プレーにおいて小さなことにも手を抜かないことの重要性を説いていた。プロのレベルの戦いになると、ほんのちょっとの差が結果として現れるのだろう。

沢田国語研究所
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沢田隆志
大阪市出身
開明高校→横浜国立大学経済学部卒
大手自動車メーカーで経理として勤務。
神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。
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「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票
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「あぶくま時報」火曜コラム執筆中
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