理知は後からやってくる

須賀川,国語,郡山 なるべく毎日エッセイ

中学生の国語の問題に出てきた理知とは、大辞泉によると「理性と知恵。また、本能や感情に支配されず、物事を論理的に考え判断する能力」とある。

人間も所詮は動物。なにかにつけて感情が先に走る生き物である。たとえば、夜中にお菓子を食べる。明日の朝に後悔することは目に見えている。でも、その瞬間は「今日くらい、いいよね?」という欲求と誘惑のタッグに負ける。理知? どこに行った。

他人との会話でついうっかりいらない事を言ってしまい、後悔することがあるだろう。理知の出番はいつも事後。発言前に一瞬でも「これは大丈夫かな?」と考えれば済む話なのに、感情の勢いが勝ってしまう。そして、炎上したあとでようやく、「軽率だった」と理知が顔を出す。まさに“後出しジャンケンの知性”である。

それでも、理知は私たちの中にちゃんと存在している。存在感は薄いが、いなくなると一気に世界がサバイバルゲーム化する。衝動のままに人が動き始めたら、電車は止まり、会社は燃え、冷蔵庫には貰った野菜しか残らない。

理知とは、地味だけど大事な「社会の交通整理員」だ。強すぎると邪魔くさいので後からそっとやってくるが、その旗振りがあるからこそ、世の中はだいたい無事に進んでいく(多少の事故はあれど)。

というわけで、私は深夜のポテチに手を伸ばし、袋を開ける。きっと理知があとからやってくる。

沢田,国語,塾

沢田国語研究所

●事業内容

・国語専門塾(対面・オンライン)

・俳句や短歌の創作および普及活動

・本に関するイベント

●代表

 沢田隆志

 大阪市出身
 開明高校→横浜国立大学経済学部卒

 大手自動車メーカーで経理として勤務。
 神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
 須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
 
 俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。

・須賀川短歌会主催
「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票

・須賀川地域の地方紙
「あぶくま時報」火曜コラム執筆中

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