高校生の国語の問題にパラドックスという言葉がよく出てくる。
「急がば回れ」のように、「一見すると矛盾しているように見えるが、実は本質を突いていること」といった意味で、「逆説」と訳されることが多い。
「自由だと決められない。」「黙っていた方が評価される。」「求めるほど、得られない。」理屈に合っていないのに、なぜか納得してしまう。ときには理不尽にも感じる。人生、パラドックスだらけである。
「何もしない勇気」や「手放すことで手に入る」など、最近の自己啓発本にも逆説が多い。読んでいると納得してしまうが、いざ何かしようとすると「いや、結局やれってことか?」と混乱する。言葉って便利で不親切だ。
子どもの世界にも、パラドックスが詰まっている。一番身近なのは、「正直者がバカを見る」だろうか。小さいころ、「ウソついちゃだめ」と言われたが、正直に白状すると叱られ、ウソをついた友達はうまく逃げ切る。
ちなみに、教育の現場も常にパラドックスと共にある。「自分の頭で考えろ、自分の意見を大切にしろ」と言いつつ、「模範解答はこれだ」と教えるこの二重構造。(これはただの矛盾か?)生徒が混乱しないわけがない。
パラドックスとして挙げられる事象は、世の中が「単純じゃない」という事実を、示しているのかもしれない。そんな世界で生きていく私たちにとって、逆説も一つの真理と捉え、矛盾と感じてもそれを受け入れる寛容さが求められる。
必死に思考した結論として、深く考えず気楽に生きる。といったところか。

沢田国語研究所
●事業内容
・国語専門塾(対面・オンライン)
・俳句や短歌の創作および普及活動
・本に関するイベント
●代表

沢田隆志
大阪市出身
開明高校→横浜国立大学経済学部卒
大手自動車メーカーで経理として勤務。
神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。
・須賀川短歌会主催
「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票
・須賀川地域の地方紙
「あぶくま時報」火曜コラム執筆中
●お問合せ
TEL : 090-1048-7425
mail : sawadakokugo@gmail.com
LINE: https://lin.ee/UpDwUYS
SNS: @sawada_kokugo
●場所
福島県須賀川市中町17-8旧管野園ビル2F
カテゴリー