「いっぱしの大人」になるということ

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小学生の国語の問題に「いっぱし」(一端)という言葉が出てきた。

何となくは分かるが、一応確認のため広辞苑の第三版で調べると、最初に「一度」、そして「一人前。ひとなみ。ひとかど。」という意味が二番目に出てきた。

授業の中で生徒に「いっぱし」という言葉使って文章を作るように言うと、「僕は、もういっぱしの男です!」と答えてくれた。少し胸を張るジェスチャーも加えてくれていた。

愛嬌たっぷりの表情でのセリフに、思わず吹き出しそうになったが、本人はそれなりに真剣だ。詳しく聞いてみると、どうやら、ひとりでカップラーメンを作れるようになったらしい。なるほど、湯を沸かし、麺をほぐし、三分待つという工程は、彼にとっては成人式と等しいのだろう。

考えてみれば、自分にも「いっぱし」だと錯覚した瞬間があった。親に代わって部屋の電球を替えたとき、一人暮らしを始めたとき、初めて名刺を持ったとき。どれも振り返れば些細なことばかりだが、そのときは世界を征服したような気分だった。

こうやって過去を思い返して、よく考えてみれば、自分はいまだに「いっぱし」の大人にはなれていないことに気付く。子供の頃「大人とはこういうものだ。」と思っていた人格には到底到達していない。

あぁ、早くいっぱしの大人にならないと。。

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沢田国語研究所

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 沢田隆志

 大阪市出身
 開明高校→横浜国立大学経済学部卒

 大手自動車メーカーで経理として勤務。
 神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
 須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
 
 俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。

・須賀川短歌会主催
「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票

・須賀川地域の地方紙
「あぶくま時報」火曜コラム執筆中

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