「うちは昔からこうなんだ」
この呪文の前では、論理も感情も無力になる。
家庭内ルール、部活動、職場の慣習、あらゆる場面でこの言葉が放たれた瞬間、人々の表情からは光が消える。
「封建的」とは、「上下関係を重視し、個人の自由や権利を認めないさま」要するに“偉い人の言うことが絶対”という世界観。戦国時代を卒業できなかった精神構造が、現代にゾンビのように息づいている。
私は大学時代、居酒屋でバイトしていた。そこでは、先輩が神であった。
まかないの順番は先輩優先。挨拶の声量が小さいと「気合が足りない」と説教。しまいには「俺が下っ端の頃はもっと厳しかった」と言い出す。これぞ典型的封建的スピリット。
いわば“苦しみの継承”という名の儀式だ。
この「封建的」と似たような香りを放つ言葉に、「古臭い」「前近代的」「権威主義的」などがある。いずれも「論理」ではなく「上下」で物事を決めたがる点で共通している。
封建的な社会は「混乱を避け」「過去の経験を活かす」という効果はあるだろう。
しかし問題は、その制度が“他者を黙らせる道具”に変質することだ。そして、最もまずいのは、下のものが「黙って従う方が楽」になってしまう状態だ。自分で考える必要がない。求められるのは、ただ耐えること。声には出さない。静かに生き延びる。
私たちは、もっと自由に、もっと言いたいことを言って、そしてもう少しだけユーモラスに生きていい。封建的精神を笑い飛ばし、ときには馬鹿にしてもいい。それは現代人が獲得した権利だ。

沢田国語研究所
●事業内容
・国語専門塾(対面・オンライン)
・俳句や短歌の創作および普及活動
・本に関するイベント
●代表

沢田隆志
大阪市出身
開明高校→横浜国立大学経済学部卒
大手自動車メーカーで経理として勤務。
神奈川県で教育委員会に勤務。その後、
須賀川市の梁取塾で主に中学生を指導。
俳句や短歌を中心に文学を楽しむ。
・須賀川短歌会主催
「第1回みんなで選ぶフォト短歌展」最多得票
・須賀川地域の地方紙
「あぶくま時報」火曜コラム執筆中
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